項目とシステム仕様

文化遺産オンラインは、作品情報を登録する3つの方法を備えています。「オンライン登録方式」は、文化遺産オンライン用の管理サイトで作品情報を1点ずつ登録する方式で、本サイトでも詳しく説明している方法です。「CSVアップロード方式」は、複数件の作品情報を特定のCSV(Comma Separated Value)フォーマットに整形してシステムに一括登録する方式で、平成22年度から正式な登録方式のひとつとして各館の登録ご担当者向けに公開されました。「メタデータハーベスティング方式」は、通信形式にOAI-PMHというプロトコルを用いてデータベース間で作品情報の連携を図る方式で、現在のところ独立行政法人国立美術館および奈良国立博物館との連携に限定的に用いています。

オンライン登録方式

現在、参加館向けに広く提供されている登録方式です。この方式は本サイト内で公開している「文化遺産オンライン管理ツール」(以下、管理ツール)にログインすることで利用できます。これまでに発行されたログインアカウント(認証情報)は、2,500館/団体です。

管理ツールは、アカウント情報の他、インターネット接続環境と最新のブラウザがあれば利用できます。pdfマニュアルも用意されていますので、詳しくは本サイトの説明ページをご覧ください。

オンライン登録方式の特徴は、インターネット接続環境があれば、作品を1点からでも登録できる点にあります。データベースや電子的な目録等を用意することなく、インターネット上に作品情報を公開することができます。

CSVアップロード方式

すでにデータベース等で所蔵作品を管理されているミュージアムに向けて用意した方式です。数百件から千件単位の作品情報を、一回の操作で文化遺産オンラインに登録することができます。

ただし登録には作品情報を決まったフォーマット(タブ区切りのCSVフォーマット)のファイルに成形する必要があります。下記の簡易説明書に具体的な登録例を掲載しましたので、詳しい操作方法等はこちらをご覧ください。

CSVアップロード方式は、小・中規模なデータベースで所蔵作品を管理するミュージアムに向いた方式です。最初の準備には手間取るかもしれませんが、ご担当者自身の操作によって、ミュージアムのデータベースと文化遺産オンラインの登録作品の同期を取るといった運用が可能になります。

なお画像ファイルを一括登録する際に、ファイル容量が500MB以上となる場合は、お手数ですがお問合せ先にご連絡ください。

CSV登録手順書(PDF:5頁 1MB)

CSVファイルフォーマット(PDF:3頁 145KB)

各種項目コード一覧(PDF:5頁 230KB)

市区町村項目コード一覧(PDF:8頁 507KB)

ハーベスティング方式

国立情報学研究所では、国立美術館および東京国立博物館の協力のもと、作品情報におけるデータベース自動連携を実現するOAI-PMH(The Open Archive Initiative Protocol for Metadata Harvesting)を活用したメタデータハーベスティングシステムの開発と実証に平成19年度から取り組んでいます。特に国立美術館との連携システムについては、平成20年度以降、実運用による自動連携を行っており、さらに平成22年には、奈良国立博物館との自動連携がこれに加わりました。

OAI-PMHによるメタデータハーベスティングシステムは次の4つの要素から構成されています。すなわち、ミュージアム内部で作品情報を管理する「1.収蔵品データベース」、作品情報を外部との連携用に公開する「2.メタデータ公開システム」、ミュージアムの作品情報を読み込み、メタデータハーベスティング向け連携用スキーマで発信する「3.文化財情報リポジトリシステム」、リポジトリから作品情報を読み込み文化遺産オンラインへ登録する「4.文化遺産オンラインOAI-PMHシステム」です。

このうち「1」と「2」の連携元システムについてはミュージアム側で用意する必要があり、相応の負担がかかります。そこで国立情報学研究所は、連携元システムにおける改修負担の少ない「3.文化財情報リポジトリシステム」を平成23年に開発しました。本システムは奈良国立博物館との連携で活用しており、いずれオープンソースによる一般公開を行う予定です。また、メタデータハーベスティングに関するXMLスキーマ等の技術情報についても、今後このページで順次公開する予定です。

OAI-PMHによる連携事例紹介

(1)独立行政法人国立美術館

独立行政法人国立美術館の4館総合目録データベースとOAI-PMHによる自動連携を実施しています。東京国立近代美術館・京都国立近代美術館・国立国際美術館の所蔵作品が文化遺産オンラインに登録されています。

(2)奈良国立博物館

奈良国立博物館は、平成22年度の文化庁の調査研究事業「全国の博物館・美術館等における収蔵品デジタル・アーカイブ化に関する調査・研究」として、収蔵品データベースの公開システムを構築し、平成23年度から文化遺産オンラインとのOAI-PMHによる作品情報の自動連携を行っています。なおリポジトリには国立情報学研究所が開発した文化財情報リポジトリシステムを活用しています。